どんちゃんのひまつぶし

とあるスタートアップにいるエンジニアの雑多ブログ

プリンター販売員がプリンターの選び方を語る

どうもこんばんは、どんちゃんです。
もうすぐ年賀状のシーズンですね。
今回は、プリンター販売歴3年の僕が、エプソンキヤノンブラザーの各メーカーのいいところ、悪いところを挙げながら結局どれを買うべきなのかを紹介します。

エプソン

良いところ(メリット)

本体がコンパクト

スキャン、コピー機能付きの中だとEP-880Aが一番コンパクトです。
なんと横幅34.9cm
旧機種のEP-808A(2015年発売)に比べて4.1cmも小さくなりました。
ちなみにキヤノンの現行機種は37.2cmです。
キヤノンも旧機種からかなり小さくなりましたが、重大な欠点があります。
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前面給紙トレイにA4用紙を入れると飛び出る!
物をひっかけたり、埃が被る可能性があります。エプソンはこの心配がほぼありません。
置き場所にはエプソンに軍配が上がるでしょう。

写真が綺麗

まずエプソンと言えばフルカラー6色。
あれ?キヤノンも6色じゃないの?と思ったあなた。実は違うんです。
後述しますが、キヤノンはハイブリットインクで、文字用と写真用でそれぞれ黒インクがあります。
写真印刷の時は写真用インク(染料)のみの5色を使います。
一方のエプソン6色とも写真向きの染料インクなので写真を刷らせると強いです。色の見え方は千差万別とはいえ、理論上色の表現力は高いです。

カラーも顔料ならエプソン一択

エプソンのラインナップを見ればわかりますが、6色インクと、4色インクのプリンターしかないんですね。
6色は全て染料、4色の方はPX-049Aという機種で、オール顔料インク*1です。
もしもカラー印刷で、「水に濡れて滲んだら困る」「蛍光ペンで書きこみたい」という方はPX-049Aが向いています。安いですし。

キャッシュバックキャンペーンが手厚い

キヤノンもキャッシュバックキャンペーンを行っていますが、最上位機種単体購入だと2000円、インクセットで3000円です。
一方のエプソンは同等の機種の単体購入でも3000円のキャッシュバックがあります。EP-880Aに限られますが。

悪いところ(デメリット)

インクコストが高い

ちょっと詳しい人の中ではエプソンはインク代が高いことで有名です。
上位機種のEP-880Aで20.6円
キヤノンの同等機種で19.4円です。

背面給紙が1枚のみ

エプソンは代々背面給紙が可能ですが、枚数は1枚まで。昨年から背面給紙を復活させたキヤノンTS8130は普通紙なら100枚、はがきなら40枚まで可能。
カラリオのスペック表を作りました。横にスクロールできます↓

機種名 EP-880A EP810A EP710A PX-049A
Amazon価格 26,224円 15,916円 11,245円 6,399円
本体サイズ(横幅×高さ×奥行き) 34.9cm×14.2cm×34cm 39cm×14.1cm×33.9cm 39cm×16.3cm×33.8cm 39cm×14.5cm×30㎝
使用インク クマノミ(6色染料) イチョウ(6色染料) リコーダー(4色顔料)
インクコスト(A4カラー文書) 12円 15円 13.8円
インクコスト(L判写真用紙) 20.6円 26.5円 27.5円
印刷スピード(A4写真用紙) 50秒 61秒 67秒 169秒
自動両面印刷 ×
レーベル印刷 ×
使える用紙の厚さ 0.6mm(背面の場合) 0.3mm
USBメモリからの印刷 ×
SDカードによる印刷 ×
有線LANによる接続 ×
スキャン解像度(副走査) 4800dpi 2400dpi
コピー可能サイズ(PCを使わず) カード~A4 L判~A4(A6は不可) A4

キヤノン

良いところ(メリット)

ハイブリッドインク

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「写真鮮やか文字もくっきり」という売り文句で有名なキヤノン。具体的にどういうことかというと…。
文字用の顔料黒インク1本、写真用の染料インク5(4)本を搭載してます。モノクロ印刷の時は滲みにくい油性インク、カラー印刷は水性の染料インクを使います。
cweb.canon.jp
インクの二刀流ですね

悪いところ(デメリット)

解像度

細かな点ですが、印刷時の解像度がエプソンEP-880Aが5760×1440に対し、キヤノンの同等機種TS8130は4800×1200と少し劣る。
正直目視では違いが分からないぐらいですが問題はここではありません。
TS8130の旧型番、TS8030の解像度は倍の9600×2400と、かなり高く、今年はむしろスペックダウンしているんです!

給紙方法

エプソンEP-880Aは前面2段給紙に対し、キヤノンTS8130は前面1段給紙と、違う種類の用紙を入れっぱなしにすることはできません。しかもはがきサイズに関しては背面からしか給紙できないので壁にピッタリと付けて設置することが難しいです。
キヤノンスペック表↓

機種名 TS8130 TS6130 TS5130 TS3130
Amazon価格 25,700円 21,800円 14,904円 9,610円
本体サイズ(横幅×高さ×奥行き) 37.2cm×13.9cm×32.4cm 37.2cm×13.9cm×31.5cm 42.5cm×14.7cm×31.5cm 43.5cm×14.5cm×31.6cm
使用インク BCI-381,380(6色ハイブリッド) BCI-381,380(5色ハイブリッド) BC-341,340(一体型) BC-346,345(一体型)
インクコスト(A4カラー文書) 9.6円 9.3円 13.1円 14.1円
インクコスト(L判写真用紙) 19.4円 17.2円 19.5円 21.7円
印刷スピード(A4写真用紙) 41秒(フチあり) 75秒 85秒 記載なし
自動両面印刷 〇(はがき不可) ×
レーベル印刷 ×
使える用紙の厚さ 記載なし
USBメモリからの印刷 ×
SDカードによる印刷 ×
有線LANによる接続 ×
スキャン解像度(副走査) 4800dpi 2400dpi 1200
コピー可能サイズ(PCを使わず) 名刺~A4 はがき~A4

ブラザー

良いところ(メリット)

インクコスト

下位二機種でもA4カラー文書1枚あたり8.4円キヤノンエプソンを抑えて最安。最上位機種のDCP-J983Nに関しては4.6円と断トツの安さ。

ADFや、FAX一体型という選択肢

「ファックス、電話機もプリンターにまとめたい」という方はブラザーしか選択肢はありません。ちなみにどん家はこのタイプです。親が信者なんで
また、ADF(原稿自動送り装置)が家庭用モデルでついてるのはブラザーのみ。大量に原稿などをスキャンされる方もブラザーが最有力。

悪いところ(デメリット)

4色インクだから写真は微妙

「できる4色インク」と謳っていますが、正直微妙。やはり6色には劣ります。ただ、画質にこだわらない方や、年賀状デザインはイラスト、という方はこれでも十分かもしれません。ちなみに黒:顔料、カラー3色:染料なので写真を含めカラー印刷は3色で印刷されます。

構造的に故障しやすい

ブラザーのプリンターと言えば、唯一前面からインクを交換できます。これ自体はとても簡単で良いのですが、プリントヘッドからインクカートリッジまで遠く、チューブで繋がれているため、長期間使わなかった場合チューブ内でインクが固まるリスクがあります。使用環境にもよるので都市伝説レベルと思っていただいてもいいですが…。

機種名 DCP-J983N DCP-J973N DCP-J572N
Amazon価格 29,084円 15,909円 10,584円
本体サイズ(横幅×高さ×奥行き) 42cm×17.2cm×34.1cm 40cm×17.2cm×34.1㎝ 40㎝×15.1cm×34.1㎝
使用インク LC21E(黒:顔料、カラー染料) LC3111(黒:顔料、カラー:染料)
インクコスト(A4カラー文書) 4.6円 8.4円 8.4円
インクコスト(L判写真用紙) 15.1円 18.6円
印刷スピード(A4写真用紙) 記載なし
自動両面印刷
レーベル印刷 ×
使える用紙の厚さ 0.15mm
USBメモリからの印刷 ×
SDカードによる印刷
有線LANによる接続 ×
スキャン解像度(副走査) 2400dpi
コピー可能サイズ(PCを使わず) 記載なし(?)
ADF(ブラザーのみ) ×

で、どれがオススメ?(用途別)

年賀状の時にしか使わない人

僕自身接客していて一番多いのがこの客層。
年賀状のデザインにもよりますが、
写真入りEP-710A
理由:実は印刷品質は上位機種と変わらず。機能を削っているので本体も安価。ちなみに2014年発売のEP-707からインクと以外ほとんど変わって無いので昨年の在庫があればお買い得。
イラストPX-049A or TS3130 or DCP-J572N
理由:わざわざ高額でコストもかかる6色プリンターを使う必要なし。TS3130は一体型インクなので万一詰まってもインクを変えたら直る。

時々ウェブページも印刷する人

PX-049A or DCP-J572N
理由:インクコスト重視。エプソンは高いと言われますが、顔料機のA4のコストは安い。オマケに耐水かつ本体も安いという強さ。ブラザーも同じくインク代で選出。

写真もよく印刷する人

EP-880A or EP-30VA
理由:6色染料インクであること、解像度で有利。また、スペック表には記載していませんが、EP30VAもノミネート。本体代こそ高額ですが、6色の割にインクコストが低め

文書や図面などを大量に印刷する人

エプソンのエコタンク搭載モデル
www.epson.jp
今のプリンター業界ではこれに勝るインクジェット機はないかと。本体代こそかかりますがインクはボトル式で、今までのカートリッジ42本分です。一本1000円として計算すると42000円分のインクが入っています。
毎月300枚印刷しても1年持つ計算になります。ばけもんですね。

プリンターを長く使うために

インクの使用期限は守りましょう。箱の裏にも書いていますが、インクの使用期限は6か月です。
プリンターが壊れる原因は放置によるインクの蒸発でヘッドが固まることが大半です。インクのまとめ買いはお勧めしません。半年で使い切る量を買いましょう。もし使いきれないようでしたら、定期的に何かしら印刷するか、電源をONにしましょう。


ぶっちゃけ個人的にはこだわらない年賀状だけならプリントパックやラクスルなどに注文したほうが楽ですしトータルで見ると安いと思ってます。
一番は自分の使い方にあったプリンターを選ぶこと!


では👋

*1:顔料インクは耐水性に優れるためにじみにくい